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Watts

自分のオーディオがもうヴィンテージになる年齢になってしまいました。
June 28

VITAVOX CN-191

VITAVOX_CN-191 ~最高級コーナーホーン~
 
<オークション:s126440888 VITABOX CN-191 CornerHorn スピーカーペア Ends 6月28日23時40分>
 
- VITAVOX CN-191 -
 
●ヤフオクにてヴァイタボックスのあのCN-191コーナーホーンを見つけました。当時360万円もしたというコーナーホーン型高級スピーカです。ヴァイダボックスの最高級家庭用スピーカーとして誕生したCN-191コーナーホーンで、ウーハとドライバ+ホーンの2ウェイ構成です。
特筆すべきはクリプシュホーンを搭載したエンクロージャーです。これは熟練木工技術者によるハンドメイドで、最高級品にふさわしい芸術といえるほどの優美なデザインを誇っていますね。
同じ構成で小型のMAJORもありますが、やはりフルオケの迫力ある演奏を満喫するにはCN-191が最高だと思います。 
 
●低域のホーンにはクリプシュ・ホーンが採用されています。コーナー型折り曲げ・ホーン・エンクロージャーに、ホーンロード用に強力な磁気回路を持つユニットAK-157(CN351)を用い、高域には優れたドライバと評価の高いS-2ドライバー(CN149)にディスパーシブ・ホーンCN-481を組み合わせています。ネットワークはNW-500でクロスオーバは500Hzとなっています。
15Ωという歴史を感じさせるインピーダンスですが、帯域は20Hz~20kHzをクリアしていてこのあたりは流石ですね。かなりのパワーを使ってホーンを利かせる設計のため、100Wという当時ではかなりのハイパワーを必要とするスピーカとなっています。
外形も、幅760×高さ1300×奥行684mmとかなりの大型で、115kgという床の抜けそうな重さをしています。
 
●音は、ホーン独特の癖があり、ローエンド・ハイエンドはあまり伸びていないのですが、魅力的な中域が印象的です。ただし、それなりのアンプを繋いで、かなりの音量で鳴らさないと、ホーン本来の良さが出てこないので、私のウサギ小屋では設置すること自体に無理があります、、、トホホ。
しかし、しっかり鳴らされたヴァイタはそれはもう素晴らしいものです。歯切れが良いというか、ダンピングではない音離れの良い音です。そしてオーケストラのスケール感といい、臨場感といい、大変素晴らしいものがあります。めったに聞くことの無い珍しいスピーカですが、聞くたびに結構音色が違うのには驚きます。吉祥寺のCN191が置かれている喫茶店では、ヴァイタにしては小音量だからでしょうか、となりのタンノイの方が美しく音楽を奏でてくれているのが残念でした。このスピーカを鳴らしこむのは難しいなぁ、というのが正直な感想です。
 
●開始価格が\135万と高額なため、0BIDですが、なかなか綺麗な感じがしました。この時期ですから、とても手の届く品物ではありませんが、\130万が相場、\80万で即買いと勝手に値付けいたしました。鳴らしこむためには、アンプも部屋も、そしてチューニングする人の耳も要求される、じゃじゃ馬みたいなスピーカですが、それだけに飼いならした後はただの高級システムとは異次元の満足感に浸れることでしょう。
それにしてもこんなすんごいスピーカ、どんな人が買えるのでしょう。
March 14

DYNAVECTOR DV-505

DYNAVECTOR_DV-505 ~理論の名作~
<オークション:h127692756 Dynavector/ダイナベクター DV505 Ends 3月15日22時49分>
- DYNAVECTOR DV-505 -
 
●ヤフオクにてあのダイナベクターのDV-505を見つけました。一切の妥協を排除して力学的工学的に突き詰めた究極のアームは一般的なマニアの美意識に逆らったもので、SMEとは対極といってもいいですね。ダイナベクター社は都立大教授である富成先生が興した会社で理論展開がすごいんです。富成先生はサーボ設計論や自動制御の本を出版(コロナ社)している制御の専門家で、このアームも自由度単位に制御系を独立させるという離れ業を実現しています。アイデアも相当なものですが、デザインもユニークでしょう。
また、カートリッジも作っていまして、真っ赤で透明なアクリルボディに鋭く突き出たカンチレバーが印象的でした。しかもMC型なのにコイルがたっぷり巻いてあって出力は2.0mV、直流抵抗は85Ωとなっていました。本当に面白い製品を提供してくれています。さてアームの方ですが、1978年の発売で当時\6万でした。現在でもDV-507MKⅡとなって販売されています。30年という大変ロングラントーンアームですね。
 
●トーンアームの外観は、理科の実験で使う精密天秤といった雰囲気ですよね。橋ケタのような強靭なメインアームと軽量高感度のサブアームからなる質量分離型です。質量分離型って難しそうな型式ですが、簡単に言えば、水平にしか動かないメインアームの先っちょに垂直方向しか動かないサブアームをつけて可動方向を分離したわけです。これにより、水平方向の動きであるレコードの音溝には軽~く完全に追従しながらも、水平方向の振動にはびくともしない。垂直方向のレコードのソリには敏感に対応して針圧一定でトレースがしっかりできるようにすることを実現したものですが、これってアームの機能そのままですね。
つまり、サブアームはレコードのソリに対応するため、垂直方向にのみ高感度に動くしくみで、常に一定の針圧をかけるため、針圧制御はスパイラルス型プリングを用いたダイナミック型を採用しています。共振対策にはダイナミックダンパ方式が取られています、これは別な共振周波数を持つバネ~質量系を有効に使った連性振動による制振手法なんです、、ふぅっ~。
メインアームは水平方向だけの制御を担当しており、音溝への追従と振動を減衰させる役目を持っています。二つの役目をどう実現しているかといいますと、有害振動と音溝の動きにはその振動数(周波数)に違いがあるので、ダンピング力を周波数で分離しているんです、頭いいですよねぇ。
一般的にダンピングにはオイルダンプが使われます、オイルダンプとはオイルの中に羽をつけた軸があるもので、羽がゆっくり動くときには、抵抗を感じませんが、早く動こうとすると、オイルの粘性抵抗を受けることになります。つまり、早い振動には抵抗となり、音溝のゆっくりとした動きには全く抵抗とはならないわけです。
ところが、ダイナベクタは応答性の悪いオイルダンプには満足できなくて電磁粘性制御を採用しています。これは、磁石の隙間にアルミ板が入っていて、動くと渦電流が発生するというアラゴの円盤の原理を使った制御方法です。ゆっくり動かすときはほとんど抵抗はありませんが、早く動かそうとするとグッと止まるような大きな抵抗を受けるものです。オイルダンプと比べてあいまいさがなく経年変化も少ないので大変優れたアームだと思うのですが、見ての通り複雑な構造で、セットアップが大変など、機構的なマイナス面があり、世界的な大ヒットにはなっていませんね。
 
●音は、というのは難しいのですが妥協のないつくりであることは確かです。それよりオーディオはデザインも音のうちだなぁとつくづく思い知らされますよ。残念ながら、ガラードやトーレンスにはしっくりきません、SMEが採用されるわけですね。高級DDと組み合わせて真価発揮というところでしょう。
もちろんアームとしての性能は合格点ですし、理想的な動作は見ているだけでも気もちのいいものですが、音との関係がいまいちよくわかりませんね、このレベルになるとそんなに変わらないんじゃないかなぁなどと感じていたと思います。きっと現代の高解像度のオーディオシステムに向いているのだと思います。昔のアナログオーディオではこの価値は享受できないのかも。高解像度な分あっさりと感じたりもしますし、低域の改善効果もバランスからいうと違和感があったのかもしれませんが、、、、とはいえカートリッジほどの差がないアームの世界なのかなぁと。

●価格は開始価格が18万となっており、高額スタートなため0BIDです。残念ながらのこのご時世、\10万が相場\4万で即買い、と勝手に値付けいたしました。解像度の高いアームなんてこれくらいしか知りません。最新装置でアナログを楽しみたい方には朗報ではないでしょうか。
January 25

JBL Hartzfield

JBL_Hartzfield ~JBL黎明期の傑作~
 
<オークション:g69501654 オリジナルハーツフィールドペア150-4C初期 Ends 1月31日22時15分>
 
- JBL Hartzfield -
 
●ヤフオクにて、JBLのあのハーツフィールドをみつけました。ハーツフィールドは、タンノイのオートグラフと並び、モノラル時代を代表するコーナー型オールホーンシステムです。James B. Lansingが会社を立ち上げたのは1927年ですが、この頃はアルテック社に吸収されたり(なのでアルテック・ランシングって言うんです)、ウェスタンの下請けをやったりしていました。
1946年にJBL社として独立しまして、後に初の家庭用フロアスピーカーであるハーツフィールドが誕生します。ハーツフィールドがJBLから発売されたものは1954年のことで、55年にはライフ誌で夢の究極のスピーカとして紹介されました。ちょうどマランツ社ができてModel1を発売した頃です、すでに50年以上が経っていますね。ハーツフィールドは箱が別モノであったり、レストアされていたり、オリジナルでも後期型となるとホーンが簡略化されたりと、なかなか初期のオリジナルのものがありませんが、今回のものは初期のオリジナル物だそうです。
 
●ハーツフィールドは、実はJBLで開発されたものではありません、自作が趣味の公務員のウィリアム・L・ハーツフィールド氏が開発したものです。彼は、ワシントンDCにある政府組織の標準規格局に勤務しており、趣味でクリプッシュホーンを独自にモディファイしたコーナー型ホーンを作っていました。巡り合わせとは奇なもので、当時東海岸に住んでいたJBLの販売担当重役であったRayPepeがAESで同じ部署となったハーツフィールドと出会い、彼の組んだスピーカーシステムを知ることになったのです。劇場用で一般に発売されていなかった、150-4C/38㎝ウーハ、375ドライバがハーツフィールド氏の手に渡り、D30085ハーツフィールドが開発されることになったのです。
型番のD30085というのはは、30番のエンクロージャに085というユニットシステムを収めたことを意味していまして、085とは150-4Cウーハー、375+537-509ホーン、N400またはN500Hネットワークの組み合わせ番号の事です。
さて、150-4Cウーハーというのは、モノラル時代のハーツフィールドに使われていたユニットで、パラゴンの初期型にも少数ですが採用されていたようです。JBLでは1959年に名ウーファLE15Aが発表され、1964年からはLE15Aに入れ替えられています。また、537-509ホーン・レンズはバート・ロカンシーがハーツフィールドのために特別に開発したということで、確かに他のJBLシステムでは使われているのは見たことないですね。
ハーツフィールドは1964年まで製造が続けられていたのですが、1959年には低域ホーンが簡略化されてしまったので、今回の出品は簡略化前の貴重なものということになりますね。1964年には075リングラジエータを高域に付加した3ウェイシステムとなりました。
画像から判断するとロゴはJBLのマークのようですが、初期型ではジムランシングとなっているものもあります。会社がJBLになる前のジムランの最初の年に作られたハーツフィールドで大変珍しいものです。もちろん当時はモノラルでの販売でしたから、ステレオでシリアルNoがそろっているのは、ありえませんが、、。

●音については、諸説ありますが、何しろ聴いたことがないのでなんとも言えません。ホーンならではの伸びやかさをもつ低音と、スッと切れ味のよい低音が両立され、ジャズのバスドラムのバフッという風のような低音が、皮膚感覚で捕らえられる。ズシッとした重量感のある低音と鮮やかさよりも渋味を感じさせる中高音とがバランスして落着きある音。などと評する方もおり、かなり絶賛ですねぇ。
コーナーホーン型で、壁との距離、LRの特性の不ぞろいなど問題の多い機種ですし、なかなか低音がでなくてパワーアンプを相当選ぶという話も聞きますが、上手く鳴らすと、どうもこれは凄いようですね。
 
●価格は開始価格が\300万となっており、高額なため0BIDですね。初期型ハーツのペアではありますが、\250万が相場、\150万で即買いといったところでしょうか。もちろん私には買えませんし鳴らしきる自信もありませんねぇ。でも、あのハーツですよねぇ、、ハーツ、欲しいなぁ~。
 
January 02

Marantz Model8B

Marantz_Model8B ~マランツ・パワーアンプの隠れた逸品~
 
<オークション:170290140472 Classic Marantz Model 8B Stereo Amp Ends Jan-04-09 18:00:00 PST>
 
- Marantz Model8B -
 
●イーベイUSにて、マランツのあのModel8Bをみつけました。1953年操業のマランツ社のパワーアンプです、Model#2、#5と続き、#8はマランツ社初のステレオ・パワーアンプとなります。#6はステレオアダプタ、#7は超有名プリアンプですね。さて、マランツのパワーアンプといえば#9というほど#9が有名ですが、#8それより一つ前のモデルで後に#8Bとなります。#8を改良して#8Bになったわけですが、事はそう単純ではないようです。なぜなら、#8は1959年に発売、#9が1960年で、#8Bは翌年の1961年なんです。つまり、#8Bは#9発表後に改良が施されて発売にいたっているわけで、#9の改良部分も含まれているということになります。当時15万で発売されましたが、日本でも大変な人気と評価でした。
 
●UL接続で35Wのステレオアンプです。#5のステレオ版に#9の改良を加えての再登場となる#8Bですが、基本構成は#5と同様です。#8として#5と比べて見るとよく分かるんですねぇ、初段が6BH6×1の3結、位相反転は6CG7×1でカソード結合型の採用で2段目の増幅と位相反転を兼ねています。パワー段は6CA7×2のプッシュプルで、ここまで#5と同じです。電源回路は時代の流れというか、#5でのGZ34に対して、シリコンダイオードによる倍電圧整流になっていて、平滑コンデンサはオイルコンから電解コンに変わっています。次に、#8と#8Bですが、見た目と違って、回路的にはかなり変わっているんです、電源回路はそのままですが、増幅回路におけるNFBがかなり改良されています。6CA7のプレートから6CG7のグリッドにクロスオーバNFが追加されていますが、最新のNFB技術を投入して広帯域にわたる歪特性の改善と高域特性の向上を狙ったものと思われますね。高域改善のための位相補正回路の投入もいたるところで見られます。初段6BH6のP-G帰還での3.9pF挿入による超高域NFB対策、6BH6のカソード抵抗とパラに0.002μFの挿入で高域のNFを減衰させるための調整、6CG7のプレートから33pFを介しての接地による位相反転のインンピーダンス整合と高域対策、クロスオーバNFでの1.5pFの挿入による超高域の特性改善、トータルNFでは1170~1780pFによる微分回路ので高域NF量を増やすようになってるなど、位相補正にかなり細かな神経を使っています。その結果、現代でも通用する高域特性を実現しているといえるでしょう。
 
●#8Bとなると今でもよく見かける名機なので聴いたことがある方も多いでしょうし、プリアンプ#7とのセットで実際に使っていらっしゃる方もいらっしゃるでしょうね。なんとも羨ましい話です。周波数特性的にはこれまでのマランツアンプより高域特性がかなり改善されており、クリアで味わい深い音楽を奏でてくれます。ナローレンジからの脱却を図ったアンプであり、ヴィンテージアンプとしては特異の性能を持っているようです。当時のアンプですから、灯を入れてからじっくり待って、おもむろに大型のスピーカで鳴らしてみたいですねぇ。SNも良くダイナミックレンジも広い現代にも通用する立派なアンプです。
 
●開始価格が$1511.00となっています。何せ50年近く経っていますから程度の良いものは少ないと思います。ほどほどのもので\25万が相場、\10万で即買いと勝手に値付け。#9の影にあって性能ほどの評価を受けていないと思われる#8Bですが、それだけにお買い得と思います。シドニー・スミスの秀逸の作品となっている#8B、今はお買い得時期ですねぇ。
 
 
November 24

EXCLUSIVE F3

EXCLUSIVE_F3 ~音楽に陶酔するためのFM専用チューナ~
 
<オークション:t94796969 EXCLUSIVE/F3/FM専用チュ-ナ- Ends 11月25日1時42分>
 
- EXCLUSIVE F3 -
 
●ヤフオクにて、エクスクルーシブのあのF3をみつけました。1975年の発売で、パイオニアがEXCLUSIVEブランドでFM専用チューナの最高峰として\25万で発売したものです。C3、M4とのコンビネーションを考えているはずなのですが、なぜかFM3だけブラックフェイスでデザインが合っていないように思えますよねぇ。仕上げもすばらしく風格さえ感じさせる逸品だけにコンセプトに疑問が残ります。
とはいえ、パイオニアが威信をかけて開発した超弩級チューナであることは確かです。手作りで贅を尽くして造られたチューナーで、パーツや仕上げなどは次元が異なるものです。ウッドキャビだけで普及クラスのチューナーが一つ買えるくらいのコストがかか っていると言われていますし、重量も16kgを超える大型・重量級で、私の持っている、つまんで持ち上げられる1kgくらいのトリオの格安チューナとは比較になりませ~ん。
 
●当時はまだバリコン式チューナーで、ドリフト防止が大きな技術課題でした。そこでパイオニアはAPC(AutomaticPhaseControl)という技術を開発しF3に搭載しました。これによりフェイズロックを実現しドリフト排除を実現したのです。APCは水晶発振を利用し受信周波数を100kHz単位でロックできるようになっています。チューニングスケールが100kHzごとにステップ的に支持する正確さをもったもので、容易に正確なチューニングができるようになっています。
メーターはシグナル、チューニング、マルチパス、ピークレベルという4つの高精度なアナログ式メーターを備えていて測定器みたいですがこんなに使うのでしょうかねぇ。
さて回路ですが、フロントエンドはデュアルゲート型MOSFETを採用したRF2段増幅、7連バリコンのAPC方式です。IF段はバンド幅切り換えが可能な超広帯域直線検波器が搭載されています。更に、ワイドバンドに歪み特性に優れた8次のLCフェイズリニアフィルターの採用、MPXにはPLLを使用したダブルバランスNFB方式を採用しています。ダブルバランスNFBは聞き慣れない言葉ですが、これは位相比較により安定した動作をするPLLの採用によりMPX復調信号はパイロット信号と位相が正確に一致した方形波となるので、ダブルバランス型の回路に通すことにより復調信号の漏れが抑えられ、NFBによりさらにその影響による歪みが極小化される、、、、、らしいいです、、、。
 
●一台一台実測値データが添付されており、まさに高級品というイメージです。オーディオ回路は最高級のパーツでディスクリートに組まれたもので、出てくる音はしっかりとしていて、臨場感を感じさせるものとのこと。今となってはスペックはまあ普通なんですけど、ボーカルの生々しさなど評価の高いチューナです。
 
●開始価格\16.5万なので0BIDSです、、、でしょうねぇ。本来なら高値取引されるべき超弩級チューナなのですが、このご時勢とチューナ自体の価値を考えると、\10万が相場、\5万で即買いと勝手に値付けしました。ちょっと残念ですが、いまどきFMチューナというとこんな感じですねぇ。そうはいっても、本当に超弩級なんですが。
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November 09

Dahlquist DQ-10

Dahlquist_DQ-10  ~マランツ共同開発の傑作~
<オークション:260299849320 Dahlquist DQ-10 Mirror Image Ends Buy It Now>
- Dahlquist DQ-10 -
 
●イーベイUSにてあのダルキスト社のDQ-10を見つけました。当時シュリロの扱いで\25万くらいで販売されていたように思います。他にもサブウーハーがあったと記憶しています。Dahlquist社はジョン・ダルキストによって1970年代に設立されたアメリカのメーカです。現在でも社名は残っていますがホームシアター系のシステムを販売するカナダ籍の会社になっているようです。驚くべきことは、クラッシックのダルキスト製品をレグナーというアメリカの会社が今でもメンテナンス、部品販売を継続していることですhttp://www.regnar.com/。アップグレードサービスというのもあるんですって、すごいでしょ。中でも、DQ-10はダルキスト社初のスピーカシステムで、ソウル・マランツとジョン・ダルキストの共同開発と言われている噂のシステムなんです。というわけで発売から30年も経っている骨董スピーカなんですねぇ。
前面はメタルメッシュのカバーの上にクロスネットで覆われ、背面もメタルメッシュでカバーされています。どこから見てもQUADのESLに似ておりコンデンサー型と思えるのですが、5ウェイのダイナミック型スピーカーなんです。下部エンクロージャにはウーハだけが収められていて、あとは平面バッフルで上に乗っています。今回の出品は画像が分かりやすく、平面バッフルが変な形をしているのが良く分かると思います。
 
●DQ-10は当時のスペックとしては驚異の広帯域だと思います。スーパートゥイータの採用で27kHzという高域まで再生可能としているんですねぇ。84dBという低能率ながらf特は35~27kHzとなっています。下部のエンクロージャは低域用の密閉箱で、25cmコーン型ウーハーユニットが搭載されています。影で分かると思いますが、私の印象では残りのユニットはバラック組みのような雑さにしか見えません。しかしシュリロ曰く、位相を考慮して独立したサブバッフルに搭載しているということです。
中低域には12cmコーン型ユニットがサブバッフルと称する平面板に取り付けられています。ユニットのフレームが8角形をしていて、これは見たところフィリップスのユニットのようです。バックチャンバつきのユニットでちょうどダイヤトーンのTW-25みたいな感じです。中域は7.5cmのドーム型でオーダックスのような長方形のユニットです。高域も5cmのドーム型ユニットで、それぞれサブバッフルが上下に取り付けられて、中低域バッフルの隣に並んでいます。超高域は3cmのピエゾ型圧電ユニットにディフューザ付きホーンが取り付けられて、中低域のサブバッフルの隅に取り付けられています。
クロスオーバーは400、1k、6k、12kzとなっています。440Hz近辺でのクロスが私は好きではないので2ウェイ以上のマルチが嫌いなのですが、DQ-10も400Hzでのクロスになっています。残念とも思えますが、つなぎが悪いなどという評価はなく、むしろこれが売りのようで、同社が特許を取得したタイムアライメント技術というのがそうで、PhasedArray方式というそうです。バッフル板が4分割されているのはユニットの前後位置を変えるためで、ユニット毎に遅延特性を持たせたネットワークと合わせて、クロスオーバ付近のつなぎや聴取位置での位相特性を改善することを目的としています。このためLR対称型のデザインとなっているんですねぇ。
ネットワークですが、低域と高域で独立した構成となっています。当時はバイワイヤリングという考えがなかったので、端子は一つですが、ネットワークで、バイワイヤリングに簡単に変更できそうです。コーン型からの逆起電力をドームの高域系に回さないように改造できそうですねぇ。また、低域とトゥイータにはヒューズが保護回路として直列に挿入されています、、音だいじょうぶですかねぇ、、。

●ドーム型の中高域とコーン型の中低域の組み合わせなのでどうしても低域が厚めの傾向になりそうですが、スタンドで床面での低音反射を抑えるなどでバランスを取る工夫もされていますね。フェイズアレイ方式の採用で定位のよさと広帯域の伸びは特筆もの。マルチウェイながら広帯域のフルレンジで聞いているような定位のよさと高域までのスムーズな伸びが素晴らしいシステムで、さすが名器ですねぇ。
音像がクッキリして楽器やボーカルの定位がとても良く自然で、コンデンサ型より中低域に厚みがあるようです。音場再現に優れており声楽や器楽は今でも存分に堪能できる性能を持っているといえますねぇ。ボーカルでもジャズでも、室内楽でもいけるのでしょうかね。後面開放型でもあるので、セッティングの楽しみ(苦しみ?)は色々ありそうです。
 
●即売価格で$949.95(≒\11万)となっております。程度は良さそうですが、名器ですが骨董ということもあり、\15万が相場、\8万で即買いといったところでしょうか。定位の良いマルチウェイとしては秀逸な作品です。もう滅多に出ない逸品をいかがでしょうか。
 
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November 01

QUAD コーナーリボン

QUAD_CornerRibbon ~QUADの広帯域スピーカ~
<オークション:200263832728 SQUAD Corner Ribbon Speaker  Ends Nov 14, 2008 12:00 PST>
- QUAD Corner Ribbon -
 
●イーベイUKにて、QUADのあのコーナー・リボンをみつけました。めったに見かけませんが、老舗ブランドQUAD社の最初のスピーカです。QUADは私の大好きなブランドで、1936年にピーター・ウォーカ氏によってロンドンに設立されました。Acoustical Manufacturing Co.Ltdというのが正式名称でしたが、QUADのブランド名が世界的に有名となる中、1983年になってようやくQUAD社に社名を変更したのでしたぁ。QUADというのは、アコースティカル社が発売しているオーディオ製品のブランド名だったわけです。売れすぎてナショナルがテクニクス社に社名変更するようなものですが、、テクニクスの電球なんて、、、こちらは違和感ありますねぇ。
その、ピーター・ウォーカ氏は1916年ロンドンで生まれ、惜しくも2003年12月10日に死去されました。アコースティカル社は最初はロンドンで創立されたわけですが、戦火を逃れるため1941年にハンディントンに移転し、以来ずっと名器を作り続けていました。最初はトランスだけを作っていまして、ハイファイアンプを作り始めたのは1940年代の後半からなんです。まだSPレコードの時代ですね。ピーター・ウォーカ氏が第一線を離れた後、1995年にVerityGrpの傘下に入ってからは迷走を続けてしまっており大変残念です。
さて、このQUADというのは四駆という意味ではなくて、Quality Unit Amplifier Domesticの頭文字です。家庭でレコードを聞くために最適なシステムを提供することを目的として製品開発されてきたわけですが、特にアンプはその音の良さと安定性からプロ用としても長く愛用されてきた超名門ブランドです。製品開発に長期間をかけるのも特徴で、70年以上経つ会社なのに、プリアンプはQA12/P、QCⅠ、QCⅡのモノラル3機種、22、33、34、44、66、77、99のステレオ7機種という少なさです。これにレプリカを含めても日本メーカの1年分の機種数くらいです。5シリーズが抜けているように見えますが、520、510という業務用のアンプにあてられています。ちなみにESL57の次はESL63で1963年から開発が始まって、実際に発売されたのは1981年です、、、。大好きなブランドなもんで、前置きが長くなってスイマセン。

●1953年にQUADⅡという名器パワーアンプが発表されていますが。その前の1949年に同社で始めて発売されたスピーカシステムがこのコーナーリボンと呼ばれるシステムです。実際にはQUAD初のアンプQA12/Pが発売される年、1948年にコンサートラビリンスⅡが発売されたのが最初とも言われていますが、、。さて、今回の出品は1949年にトゥイータにリボン型を採用したコーナー型の製品Corner Ribbon Loudspeakerとして発売されたものです。QUADといえばエレクトロ・スタティック型と思っていましたが、ESLは次機種である1957年のESL57からなんですね。1949年当時はLPレコードが実用化され始めた時代で、まだハイファイとかワイドレンジは憧れレベルでした。
そんな中で、リボン型ユニットを高域に採用した非常にワイドレンジな再生で、大変話題となった製品です。中央上部にL字型についている部分がリボン型のトゥイータです。どうしてもウルトラマンに見えてしまいます。このトゥイータはスタンリー・ケリーの開発によるもので、後にデッカ・ケリー・リボントゥイータとして今日に受け継がれています。
低域はというと、これがまたあのグッドマンのAXIOM150フルレンジユニットが採用されているんですねぇ。これをダブルアコースティックフィルター付きの高さ34インチ、幅24インチのコーナー型エンクロージャに収めたものとなっていて、そのバランスの上にスムーズなサウンドが多くのファンを獲得した。
余談ですが、同時期にピックアップも発表されました。当時大変話題になった高性能なリボンピックアップです。形が変わっていて回転部がよくわかりません、鉄棒を折り曲げてその先にピックアップがついているようなんです。これを製造していたのはアコースティカル社ではなく、スコットランドのフェランティ社というところです、何が話題かというと、当時いたエンジニアがD・T・ウィリアムソンといいます。ウィリアムソンアンプの設計者その人なんです、そのウィリアムソン氏とピーターウォーカの共同開発といわれています。
 
●QUAD大好きの私にとってまだ見たことも聴いたこともないというのがまことに残念でなりません。当時としてはそのワイドレンジで大変なものだったようですが、現代ではLP再生に的を絞ったちょっとナローレンジでそれでいて音楽を心地よく聴けるスピーカではないかと勝手に想像しています。お持ちになられている方はきっとスゴイ人でしょうねぇ、大切にしていただきたいものです。まだ聴けるようでしたらぜひ感想を。
 
●歴史的価値まで付加されてしまいそうで、US $2584(\約28万)と結構な価格のため0Bidです。確かに価値のある逸品ではありますが、オーディオ機器として性能から評価すると15万が相場で8万で即買いと勝手に値付け。骨董価値やコレクション価値など言えばキリがないほど価値のある製品です。ちょっとイギリスから持ってくるのが大変ですが、いかがでしょうか。日本に1台くらいあってもいいと思うのですが、、誰か持ってませんかぁ、、、。

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October 25

LEAK TL-12

LEAK_TL-12 ~歴史を超えるポイントワンの実力~
<オークション:200266213934 All Original Pair Leak TL12 Tube Amplifiers With KT66 Ends Oct 28, 200811:41:21 AM PDT>
- LEAK TL-12 -
 
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●イーベイUSにて、リークのあのTL-12を見つけました。とても古いアンプです。リークとはHarold.J.Leak & Ltdという会社のことで1934年に創業されています。リーク氏自身は、当時映画産業における音響システム開発に携わっていました。さて、今回のTL-12ですが、出力管にKT66をP.Pで用いた12W出力のモノラルアンプで、当時BBCモニターLSU/10のアンプに使用されていたことでも有名です。
TL-12は1948年の発売で27ギニーでした、ちなみに同時期に発売されたプリアンプはRC/PAといって9ギニーでした。またまたついでですが、1ギニーは21シリングに換算できて、20シリングで1ポンドです。さらについでですが、1971年以降は1ポンドは100ペンスとなっていま~す、、ついででした。

●歪はもちろんポイントワンなので0.1%です。DF20、出力12Wで、出力にKT66のPP、整流管GZ32と一見オーソドックスなつくりに見えますね。
しかしBBCモニタに採用されるなどの実力機で、この時期からすでにトリプルループのフィードバック回路を採用、KT66を自己バイアスの三結で使用、3段増幅構成で初段は反転回路と直結にせずに12μを介して安定性を重視しています。この安定性という点では随所で凝ったつくりが見られます。初段管のバラツキによって電圧が変動することを避けるために初段のスクリーングリッドに1MΩの抵抗を入れてアースに落としたり、出力管のグリッドには高域発信防止用の10kΩの抵抗が直列に挿入されていたり、バイアス抵抗がプッシュプルの各管にそれぞれついていて1本が壊れてもとりあえず音がでるようになっていたりなどです。
内部配線も見事なもので、非常にメンテしやすいプロ用途を意識したつくりです。専用のコネクターでのSPターミナル、綺麗に配置された真空管と、トランス。トランスのように見える端のケースには、コンデンサーが入るなど、概観にも凝っていると思われますが、実は、部品の配置はちょっと替わっていて、これは、部品配置=デザインよりも、内部配線を優先して設計しているからなんです。

●ヒータがAC点火になっているためハムが出やすいはずですが、そうではなく特にクセもなくて聴きやすいアンプのようです。音は、もちろん昔の音なんですが、落ち着いた音で、意外とピアノの音がいいようです。私は使ったことがないので、こんな古いアンプで?と思ってしまいます。
高域補正がしっかりしているのはLEAKの面目躍如たるところですが、この技術によりシンバルやピアノなどがとても綺麗に聴けるというのはうなづけます。立ち上がりは甘いようですが、音の消え方がとても綺麗で、音場の雰囲気がよく、定位がしっかりしていて、音楽を聴いていて楽しいと感じさせてくれる数少ないアンプと、もう愛好者絶賛状態です。


当時はウィリアムソンアンプの回路がもてはやされており、リークはあまり日本では話題になっていなかったようですが、今となっては知名度はバツグンですね。TL12plusになると回路もトランスもかなり簡略化されていて、チョークコイルも省かれていますが、初期TL-12ではあの凝ったつくりがそのままとなっています。
というわけで初期TL-12ですがか$3250(≒\35万)で20Bidsを超えているという人気です。名器たるゆえんだとは思いますがそれにしても高いですねぇ、私にはまったく手が届きません。
マランツやマッキンと競合してくる価格帯だとやっぱり旗色が悪くなるのでは、、と思い、\20万が相場で\10万で即買いと勝手に値付けしました。オブジェ的に置いてもいいし、実際に素晴らしい性能をまだ出すというスゴイアンプですから、いい買い物なのかもしれませんが、、プラス送料と保険で、、、。
September 14

McIntosh MC75

McIntosh_MC75 ~マッキンの隠れた名作~
 
<オークション:260286376402 McIntosh MC-75 Tube Amp Pair Ends Sep-16 04:38 PM PDT>
 
- McIntosh MC75 -
 
●イーベイUSにて、マッキントッシュのあのMC75をみつけました。マッキントッシュ社は、創業当時「マッキントッシュ・サイエンフィティック・ラボラトリー」という社名でした。フランク・H・マッキントッシュ(当時の社長)、ゴードン・ガウ(当時の副社長)そしてマウリス・L・ペインチェッド(当時の生産管理部長)が共同経営となり「マッキントッシュ・エンジニアリング・ラボラトリー」になって、それから現社名の「マッキントッシュ・ラボラトリー」となりました。
さて、McIntoshと言えば、C22+MC275という組み合わせが有名ですね。このMC75はわりと知られていませんがMC275のモノラル版で1961年の発売です。姉妹品なので発売時期も同時期なのはあたりまえですが、MC275は75W+75Wで1961~1973のモデル、MC75は75Wで1961~ 1970のモデルです。昭和30年代後半当時はソニーが輸入元だったそうです。この時期には、他にMC240など名器が勢ぞろいしており、まさにマッキン黄金時代だと思います。

●真空管は6550×2、12AX7、12BH7、12AU7を使用、基本的にはMC240とほぼ同じ構成になっています。マッキントッシュのユニティ・カップル回路は、出力管のプレートとカソード両方から出力を引き込むとのことで、バイファイラー巻き出力トランスと合わせて、ワイドバンド、低歪でフラットな特性を実現するとのことですが、MC75はバイファイラのようですが、MC275はトライファイラ巻きになっています、まあどっちでもいいんでしょうね。
MC240とほぼ同じといっても回路上の違いはありますし、姉妹機としてMC275とMC75を比較すると開発段階の違いでしょうか、トランスの違いだけでなく若干の違いがあるようです。位相反転段の真空管がMC240の12AX7から12AZ7に変更されていて、プレート電圧のかけ方がパワー管のスクリーングリッドからのものが、3次巻線からを介しての供給に変更されています。これにより430Vから205Vへと一気に低電圧になりました、40Wから75Wへとハイパワーにするのになんで逆に下げるのか不思議ですねぇ。整流はMC75はMC240と同じ半波の倍電圧整流ですが、MC275ではブリッジによる全波整流です。
MC75の裏からパーツを見ますと、電解ブロックコンデンサーはスプラグ、カップリングコンデンサはブラックビューティが採用されていて、このあたりのパーツはさすがの内容だなぁと思います。管は、今回の出品ではSILVANIAなどいろいろな管がバラバラに搭載されていてちょっと不安、6550はGLENLAXのKT88へ交換されているようです。質の良いGEのKT88だと申し分のない音になるそうで、ぜひチューブローリング(球ころがし)して試してみたいですね。
 
●MC275と比較してセパレーションや立ち上がりがよくモノラル仕様となっているだけのことはあります。もっとも聴いたのは6550だったと思うので、KT88だと更に変わるのかもしれませんね。マッキンを聴いたという先入観からかもしれませんが、MC275よりもMC75の方がいろいろなソースをクセのある音で鳴らして、いい感じだなぁと思っていたように記憶しています。そうなると、整流管を使っているMC60のほうがもっと良いと言うことになりそうですが、、。
 
●価格はすでに$2500(≒\28万)となっており1BIDなんですが、この価格は安い方ですねぇ。人気のマッキンで、モノラル仕様です。\40万が相場、\20万で即買いと勝手に値付けいたしました。MC75はめったに見かけないので、マッキンファンはこの機会に手に入れないと次がなかなかなさそうですね。
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June 29

PHILIPS LHH2000

PHILIPS_LHH2000 ~CD時代の草分け~
 
<オークション:d86307707 フィリップス LHH2000 CDプレイヤー Ends 7月2日23時49分>
 
- PHILIPS LHH2000 -
 
●ヤフオクにて、フィリップスのあのLHH2000を見つけました。CDが発売になったのは1982年の秋、25年が経とうとしていますが、ついこないだのように思えます、年をとったなぁ~としみじみ、、。さて、オランダのフィリップス社がCDフォーマットの牽引役でしたが、最初の製品にはソフトもハードも課題が多く、CDへの評価はあまり芳しくありませんでした。CD悪評の渦中にありながら、それを払拭させるだけの能力を備えたLHH2000、フィリップス社満を持しての発表となったのです。LHH2000は1985年に発売されたPHILIPS社の記念すべき1号モデルで、CDプレーヤに革命を起こしたと言われました。これが登場しなければCDの普及は無かっただろうとまで言われている超名機です。業務用モデルで、当時\160万もしたにも関わらず多くの方に愛用されています。ドライブ部とコントロール部が分かれていて、パソコンのようですね。後継機はフィリップスの開発で、スチューダから出ることになりました。これが世いう名機、STUDER社のCDプレーヤA730です。名機にも血統があったのですねぇ。
 
●オランダのアイントホーフェン本社工場で生産される業務用の受注生産モデルだったようで、f特:20-20kHz、全高調波歪率:0.01%以下、Dレンジ:90dB以上、チャンネルセパレーション:80dB以上のスペックを誇っています。重量7.3kg、129(W) x 99(H) x 450(D)という細長いドライブユニット:LHH2001、200(W) x 52(H) x 190(D)、重量0.95kgのファンクションモジュール:LHH2051、80(W) x 52(H) x 190(D)、 重量0.3kgのコマンドモジュール:LHH2052、で構成されていて、2051と2052はセットになってコンソールみたいになっていて、これ一つで3台までの2001を操作可能としている業務モデルならではの構造です。
2001の初期メカは、シリーズ最高と言われるのCDM-0が搭載されています。鋼鉄製ボディにシングルビームのスウィングアーム、極太シャフト、レンズは独ローデンシュトック製だそうです。後期モデルでは量産性から、一部亜鉛ダイキャスト製になったCDM-1を搭載している場合もあるそうですが、コンシュマー用ではCDM-1ですら名機といわれています。このスイングアームはフィリップスのお家芸とも言えるもので、小型シングルビーム型レーザーピックアップを完全ダイナミックバランスのアームに収め、極めて安定したトレース能力を持ち、高精度な信号ピックアップを可能にした、大変優れた機構です。デジタル技術としては、4倍オーバーサンプリングのデジタルフィルターを採用しています。これは、CDのサンプリング周波数44.1kHzを4倍の176.4kHzに持ち上げた後D/A変換され、その後、位相特性に優れた3次ベッセルフィルターによって緩やかにカットしていくもので、ローパスフィルターの通過帯域幅を30kHzまで拡張することに成功しているんです、手堅い設計ともいえますねぇ。この結果、優れた位相特性と過渡応答特性を実現したんですよ。
そのD/Aコンバータについても、左右独立装備となっていて、高域での位相回転を改善し、理想的な高域再現能力を得ています。とはいえ、採用されているDACなんですが、今日ではスペック的に見劣りする14bitのマルティビットDACです。最も、そういうとピンとくる方が多いと思いますが、あの名チップのTDA1540の搭載です。1ビットにはないマルティビットのすごさを体験できるチップですねぇ。音を聞けば、スペックだけでは物語れないことがすぐに分かります。
そして、隠れた名品がこのディジタルフィルターSAA7030です。4倍オーバーサンプリングのフィルター性能を有し、同時に2次ノイズシェイパーという卓越したノイズシェイピング回路も持ち合わせていました。量子化ノイズの分布に周波数特性を与えて、ノイズ成分を人間の耳の感度が低い超高域にシフトさせるというノイズシェイピング効果です。
そして、出力トランスとアンプを巧みに組み合わせた+6dBのバランス出力回路は以降のシステムに受け継がれていきました。この出力トランスは、入力、出力、NFB巻線の3部構成となっており、DCサーボを兼ねたOPアンプでNFBがかけられたバランス出力となっていることから、可聴帯域外ノイズが減衰され、メインアンプでの混変調歪を削減することができることから、クリアな音質となっているようです。電源には、4700μF、3300μFという大容量ケミコンを投入した強力なものです。
 
●音はやはり、当時のCDの環境もあって、レコードと比べて遜色ないという音作りです。しかし、LPでは拾えない緻密な音はCDが可能としたダイナミックレンジのなせる業だと思いました。しっとりと音楽に浸れる名機だなぁと思ったことがあります、、もっともそんなにゆったりと聴いたことはありませんし、ショップの美辞麗句に酔った後の試聴でしたからかもしれませんが。
ただ、余裕のあるホールで聴く感じを得意としていて、変な味付けのない帯域バランスは見事といえます。響きの厚み、音場の深みを感じることのできる数少ない逸品で、フルオケをこれで聴くともうたまりませんです。繊細な美しさより、力強い躍動感を演出できる、演奏のパワーを余すところなく引き出してくれる、そんな音だったと記憶しています。
反面、耳あたりよくチューニングしてくれているわけではないので、飾り気のないモニタリングに徹したマシンといった感があり、細かく隅々まで描写し、ニュアンスを余すところなく表現する、といった方向では決してないです。
さらに、本機はODM(オプチカル・ディスク・マスタリング)のスタッフでの開発、つまりフィリップスのマスタリングの評価専用に開発された業務用の超弩級装置なので、使い勝手がコンシュマーのことを全然考えていないという欠点があります。早送り、戻し、選曲などの機能がないんです、、、私はCDは一回乗せたら最後まで聞くというLP時代の化石的な聴き方をずっと続けているので、まったく不満ではありませんでした、、、(それより、どうせ買えないのだから、機能なんかどうでも良かったんです)、、、。
 
●開始価格が\120万とかなり高価なため、いまだ0BIDですが、相応の名機です。\70万が相場、\30万で即買いと勝手に値付けいたしました。CDM-0が手に入りませんが、ここまでの名機となるとメーカも知らないとは言えないようで、なんとか修理にも応じてもらえるようですね。CDの歴史を作り出した最高傑作と現代のCDとを比較できると最高の贅沢ですねぇ、、といっても高いですが。
 
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June 08

Lo-D HS-500

Lo-D_HS-500 ~日立スピーカの渾身の名作~
<オークション:d83683522 HITACHI HS-500 Ends 6月10日21時18分>
- Lo-D HS-500 -
 
●ヤフオクにて、あのLo-DのHS-500を見つけました。名器として長きに渡り2ウェイブックシェルフの王座に君臨した、日立の歴史的名器です。1968年に\65000で発売となりましたが、1978年になっても受注生産で\85000で生産されていました。とてもロングランな逸品ですねぇ。しかも超高価格の設定で普通の人が買える代物ではありませんでした。
当時はARのエアサスペンション方式が全盛で、AR-3aのコピー製品が横行していた次期です。ところが、流石は技術の日立です、ここでARと全く違う方向を目指し、ブックシェルフとしてARを凌ぐ最高峰を狙いました、それがこのHS-500なんです。私の知っている限りではこのHS-500以前には日立のスピーカがマニアの間で話題になったことはなかったと思います。いきなり現れて、その音質の良さと値段の高さで注目を浴びました。当時のライバルはDS-301ですが、どちらも名器ですね。
 
●ギャザードエッジの20cm強力ウーハー、強力ホーントゥイータのダンプトバスレフ型2ウェイ。日立のスピーカー技術の評価を一気に高めた超名機です。ブックシェルフといえばARといわれた時代にあって、欧米製品に果敢に挑戦して見事栄誉を手中に収めました。日本の音響技術を世界に認めさせた誇るべき逸品ですねぇ。ウーハーはL-200型で、通常使用されているエッジではなく、独自のV型エッジを開発、ギャザードエッジと呼ばれました。機構的に伸縮みの応力が均一で、円周方向にも均一な伸縮であるため、振動板の機械的直線性に優れた、エッジの理想的な構造です。これにより、大振幅時やエッジ周辺の共振による歪の低減に成功しています。20cmながら30Hzあたりまでの超低域再生能力を持っているんです、こんなに小さいのにスーパーウーハ並みですねぇ。
特筆すべきは、エッジだけではないんです。大型アルニコマグネットと鋳造壷形ヨークの強力な磁気回路を搭載しているんですが、この壷形ヨークというのは底が丸い形状になっていて、磁気回路の理想解の一つといえますね。ボイスコイル径は10㎝mもあり、20cmユニットとしてはかなりの大きさで、ギャザードエッジにより振幅も±6mmと超大振幅を実現しています。大振幅・ショートボイスコイルの設計、振動部の質量を極小化、バスレフのキャビネットとの組み合わせで素直な低音を得ており、70Hzあたりまでフラットな特性を誇っています。
更に、トゥイータはH-70HD型で、アルミ丸棒から削り出したホーントゥイータで20KHzまで±3dbのf数を持っています。歪1%以下とホーントゥイータとしては画期的な特性で、さらに指向性改善のために、ハ形音響レンズを搭載しています。 エンクロージャは50Lのダンプドバスレフ、22kgと重力級で、88dB、20Wとなっています。残念なのは、初期型からコストダウンがすぐに進み、初期型のアルミ製デュフューザは、即、プラスチック製に変更になりました。後期型では、SP端子も真鍮からプラスチック製になり、サランネットのフレームもホモゲン材くりぬきから角材の組み合わせになってしまいました。
クロスオーバーは3KHzとなっています。2ウェイの利点を活かしており、マルチウェイで帯域を分割するよりも高めの設定をしています。人間の聴覚の敏感な帯域が0.1kHz~2kHzあたりなので、この帯域を避けてクロスオーバーさせることで、聴感上大変素直な音色の実現に成功していると思われます。人間の声の基音の周波数が90Hz~1.2KHzあたりですから、オペラなどにも好結果を得ることができ、このサイズでは信じられない再生能力を誇っています。また、ネットワークはパスして、2chのマルチにできるように、ネットワークパスのつまみと独立端子までが装備されていて、なんともマニアックです。
 
●名機と言われるだけあってソフトな音質です。現在のハイスピードアンプにも十分に追従できるようで、現代アンプの方が力強く鳴っていい感じに思います。50Hz以下は急激に下がる典型的なバスレフの特性なので、バスレフによる豊かな低音ですが、重低音の再生には限界があります。でも、これ以上望むと相当でかいスーパーウーハーが必要になりますね。内部の線材やネットワークの電子部品を高品質のものに交換することで、さらにパワーアップできるようです。
クロスオーバが高めなため、トゥイータの存在を意識させないながらもしっかり高域を補正できている端正な鳴り方です。女声ボーカルやピアノ、バロックなどに定位が気になる人向けですね。音場ということになると、小編成はその定位の良さ、くっきりとした鳴り方から、高い評価となりますが、フルオケはやはり、大型にはかないません、ARはそのあたりはうまく調整できており流石といったところです。
 
●開始価格が\5万となっており、ちょっと高めなのか0BIDSなんですが、マニアの人は狙っているはずです。\8万が相場、\3万で即買いと勝手に値付けいたしました。超名器なんですけど、これ以上の金額だとほかの品物に目がいってしまいますね。初期型なのでちょっと古く安めの落札かもしれませんが、そうだったらこれはお買い得ですねぇ。
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May 18

National EAS-20PW09

National_EAS-20PW09 ~あの名器 ゲンコツです~
 
<オークション:w24519485 ナショナル EAS-20PW09 ゲンコツ Ends 5月22日22時34分>
 
- National EAS-20PW09 -
 
●ヤフオクにて、あのナショナルの8P-W1を見つけました。「ゲンコツ」で親しまれているこのユニットは、1954年の発売で定価は\3300でした。「ゲンコツ」というのは、真ん中についている不思議な黒い球のことを言っているんですが、これはイコライザ球というもので、このユニットのデザインを特徴づけていますねぇ、でも変わっているのはこれだけではありません。メインコーンのコルゲーションは楕円形で斜めに一本入ったいるだけ、ゲンコツの下の花びらのような白い部分は実は高域用のサブコーンなんです。
このユニットは通称8P-W1と呼ばれていますが、これは当初の呼び名で、とっくの昔1964年には、すでにEAS-20PW09に改められています。それでも8P-W1の呼び名の方が通っているというのが不思議ですね。テクニクスではなくてナショナルの時代ですから、マグネットカバーにはあのナショナルのロゴが入っています。でも、取説にはTechnicsと書かれています、不思議ですね。しかも、8P-W1はアメリカで先に評判が上がり、日本へ逆上陸しました。当時のカタログには、海外でも絶賛のナショナルスピーカと記載されていました。なので、逆輸入版にはPanasonicと刻印されています。こんな昔からグローバル松下って感じです。

●さて、最大の特徴であるゲンコツの機能ですが、これは、コーン中心からでる高音の位相を遅らせてサブコーン周辺からでる高音と位相を合わせるためのものです。デザインセンスはなかなかだと思いますが、効果の程は疑問ですねぇ。この時期は、いわゆるロクハン(16cmフルレンジ)に始まりロクハンに終わるといわれていましたが、実際人気があったのは、この8P-W1のような20cmのフルレンジユニットでした。低域の豊かさには20cmが圧倒的に有利だったのです。そういっても、8W、50~15kHzと小出力ナロウレンジなのですが、これはアンプの技術的背景に要因があります。
1950年代は、管球アンプの時代で小出力ナロウレンジが当然でした。重いコーンの低能率で超低域まで伸ばしてもドライブできるアンプがなく、それより50Hz~15kHzを高能率で再生する方が重要な時代でした。そのためには軽いコーン、高めのfo、Qo、大型キャビネットでゆったり鳴らすというのがユニットの必須条件となったのです。本機でも、Qo:0.73(50Hz)、94dB、実効質量8g、磁束密度10500G、総磁束75000MX、有効直径166㎜、重量1.26㎏となっています。たとえば、当時\15000で発売されていたSPS-81というスピーカシステムは、8P-W1が入った密閉型スピーカで、その大きさは570×786×310となっています。現代の20cmユニットをいれたSPと比べるとかなり大型ですよね。非力なユニットで、BHには不向きなのですが、アメリカではBHとしても使われていました。やはり、なんといっても名器なのでいろいろなところで使われていたのでしょう。

●このユニットはとてもバランスの良い音がします。耳障りで刺激的な音は皆無です。低域、高域の伸びは程々ですが、クセが無くとても聞きやすい音です。派手ではなくて、すんなりとまとまった音だと思います。ロクハンに比べれば、低域の伸びはありますが、非力でボリューム感が無い印象を受けることもあります。これは、50年代当時の音楽はいいのですが、新しい録音ソースでは非力さから薄っぺらい感じになるのだと思います、これは仕方ないところでしょうか。とはいっても、バロックなどの小編成、特に弦楽器は美しい音色で楽しませてくれます。
 
●価格はすでに\21500となっており21BIDSとかなりの人気です。\2.5万が相場、\1万で即買い、と勝手に値付けいたしました。まだまだお買い得の価格なので、これより高値となることは必至ですが、アンプを選びます。逆の意味でレビンソンなどの超高級ハイパワーアンプでは価値が出ませんよねぇ。2A3シングルなんかをお持ちの方にぜひ使っていただきですね。夜、ゆっくりと灯を入れて静かに聴き入る、、いい情景ではないでしょうか。でもユニットだけですから箱が必要ですよ。
 
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April 20

PIONEER PL-L1

PIONEER_PL-L1 ~PIONEERが誇る超弩級ハイテクプレーヤ~

<オークション:d82796813 PIONEER PL-L1 リニアの頂点 Ends 4月23日23時26分>

- PIONEER PL-L1 -

●ヤフオクにて、パイオニアのあのPL-L1をみつけました。1978年に発売された高精度リニアトラッキング方式のハイテク高級プレーヤですね。当時私は、黒いターンテーブル、アーム、26Kgもある重量級の筐体から、何故かステルス戦闘機を連想していました。私にとってはプレーヤの頂点とも言えるものでしたが\20万はさすがに高嶺の花でしたねぇ。今でも欲しいと思わせる、パイオニア名器中の名器だと思います。ところで、リニアトラッキング方式は針がディスク上の位置に関係なく常に音溝に対して接線の状態にあるためトラッキングエラーの無い理想的なトレースを可能とするアームです。

通常のアームは回転中心を持つスイングアーム方式でトラッキングエラーを極力少なくなるように設計されてはいるものの、オフセット、オーバーハングを使って理想的な接線状態は二点しかありません。断然リニアが優れており、日本の技術万歳!というべき方式なのですが、現実はそう甘くなくて、トレースにしたがって内周へ連続的にアームベースが移動しなくてはなりませんが、実際にはガタガタと断続的な移動しか実現できないこと、精密で故障が多い、コストがかかりすぎる、など製品スペック上の課題が多い方式なんです。おまけに、トラッキングエラーはあまり大きな問題ではないし、SMEの方が音がいいじゃないか、ということになってしまって、リニアは廃れてしまいましたぁ~ざんね~ん。

●PL-L1では重量級アームベースの高精度な加工でリニアトラッキングアームとしては非常に滑らかなアームの移動を実現しています。これは、パイオニアが開発したリニアDDアーム方式によるもので、アームベースの下に取り付けたマグネットに直線状のコイルを対向させており、磁力でアームを直線駆動する方式です。アームを駆動するのにギアやベルトといった伝達機構が一切ないため、アームをダイレクトに静かに駆動できます。CDピックアップのリニアモーター駆動のようなもので、当時は先進技術でした。そして、リニアトラッキングアームのもう一つの利点であるアームの実効質量を小さくでき、トラッカビリティが向上できるという点については、さらに左右対称のストレートアームとすることで効果を高めて います。PL-L1はどうしても、アームが目に付きますが、実はそれだけでなく、モータも優れているんです。

PLL・DCサーボ・ホールモーターを採用し、IC14個、Tr12個、ダイオード16個、3つのホール素子と制御回路もなかなか複雑そうです。機構にも凝っていて、SHローター(StableHangingRotor)という技術をPL-1に搭載しています。従来は独楽のように底部にあったローターの支点をターンテーブルのすぐ下として、ターンテーブルの重心と支点の位