<オークション:270167220511 SANSUI TU-X1 VINTAGE DUEL TUNER Ends 22-Sep-07 21:59:28 BST>
●イーベイUKにて、SANSUIのあのTU-X1を見つけました。サンスイが1979年に発売した最高級アナログチューナーで、当時\135000でした。あのAU-X1とペアとして発売されたため、外形寸法はAU-X1と同じという、超大型チューナーになっています。重量も何と16.2kgという超重量級です。高級チューナといえばFM専用ですが、SANSUIはその名もSuper Integrated AM/FM StereoTunerといって、AMもついていました。驚くのはこのAMチューナの品質で、アンテナまで特別開発によるものです。FMとAMは完全に独立した設計というより、別々の製品をパッケージに収めたという表現が正しく、チューニングノブ、ダイヤル指針、など全てが2系統ありました。完全に独立している為、FMとAMを同時に受信できるんです、すごいでしょう!でも同時に使う人がいるのでしょうか?左側のノブはAM用でスケール下部の赤い指針でチューニングし、右側のノブがFM用でスケール上部の緑の指針でチューニングします。もちろん、チューニングメータとシグナルメータも独立なので、2×2で4つあります。内部構造も上半分がFMチューナー部で、下半分がAMチューナー部と、本当に完全に分離されていて、電源だけが一緒です。
●最高級機ですが、PT基板を多用している割には、中身を開けてみるとわりと線材が多く、量産に向かないつくりです。技術的にはさすがに贅沢で、FMフロントエンドはMOS-FETによる2段RF増幅、AGCによるFETのクリップ防止機能搭載、MOS-FETミキサー、BFアンプ付局発、周波数直線型7連バリコン使用、段間同調回路はWチューンと、高周波同調段から検波段に至るまでの総合群遅延特性の平坦化がウリになっていました。IFは何と10段で、全段ダーリントン差動。帯域選択はナロー側が、LCフィルターとSAWフィルターを搭載、ワイド側は大型モジュールのLCフィルタを3段接続しています。更に、AMについては、おまけICで済ませるのがほとんどですが、サンスイの良心とでもいいましょうか、こだわりといいましょうか、全く手抜きすることないすごい設計になっています。AMステレオ方式でデファクトをとることはできませんでしたが、この時の技術から、PLL同期検波方式を開発し、搭載しています。同期検波は希望放送局の周波数に、周波数と位相を同期させて検波する方式 で、2組のPLL回路を用い、入力のIF信号に全く同期したスイッチング信号とすることで検波、2つの位相比較器からの出力はUSB(上側波帯)とLSB(下側波帯)に 分かれているので、混信のない周波数がある方の側波帯を選択することで効果的に混信を除去できるビートキャンセラーがついていました。高周波部には,FMと同様のダブルバランス型ミキサーを採用し、 大型の精密3連バリコンを搭載していました。
●リアパネルには中央に缶ジュースのような巨大な筒のAMアンテナがあり、これは、スタティックシールドが施された高感度バーアンテナで、ノイズに大変強いものであるなど、細部までこだわったつくりです。出てくる音も、やはり最高級機らしく高音質であり、当時ぱっとしなかったサンスイのチューナ開発力を見事に世に知らしめたといえます。残念なことにAMはモノラルでプリエンファシスまでかかっており、ソースの質が悪く、このチューナの性能を発揮できない現状にあります。FMも申し分ない出来栄えですが、すぐにデジタル方式が取って代わることになります。また、直接出力用にスルーレイト±200V/μsのPushPull型DCアンプを搭載するなど、機能的にも凝ったつくりですが、あまりに凝り過ぎて、二度とでないこだわりチューナとなりました。
●価格はすでに£228(≒\5万)となっており10BIDSとなかなかの人気です。まあ、\3万で即買い、\8万が相場と勝手に値付けいたしました。周波数帯の問題と輸送重量の関係で、入札する日本人はいないでしょうが、サンスイファンは結構いるので、ひょっとしたら、、。なかなか手に入らない名機だと思いますねぇ。