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August 08 Aurex ST-720<オークション:n57998204 AUREX ST720 FMチューナー Ends 8月10日22時29分>
- Aurex ST-720 -
●ヤフオクにてあのAurexのST-720を見つけました。今となっては、Aurexってどういうメーカ?って思う世代の方もいるかもしれませんね。Aurexは東芝のオーディオブランドでオーレックスと読みます。松下のテクニクスみたいなものです。このST-720は1976年に発売したFM専用チューナーで、2年前の1974年には既に、名機ST-910という日本最初のシンセサイザー方式チューナーを発表しています。そして、このST-720のデザインは川崎和男さんだそうです、川崎先生は今は大阪大学の教授ですが、元は東芝のデザイナーで、
医学博士でもある非常に多才な方です。 ●ST-720は中間周波数を得るための局発にクォーツPLLシンセサイザー方式と呼ばれる水晶発振を利用した高精度の周波数生成方式を採用しているため、シンセサイザチューナと呼ばれています。当時は主にバリコンを用いて局発の周波数を作り出していましたが、このシンセサイザー方式は、水晶発振の周波数を分周、整数倍して目的の周波数を作り出すというものです。温度ドリフトなどもなく、高安定性、高精度を誇る画期的な局発のしくみですねぇ。回路の方はなかなかしっかりしていて、フロントエンドに独自開発FETを採用、6連バリキャップ搭載。中間周波数増幅段はフェイズリニア4極LCフィルター、差動ICなど当時最新鋭の技術が投入されています。ST-720はオーレックスのチューナーの中でもST-910につぐ高級機で当時\10万もしており、個別の感度、SN比、ステレオセパレーション、高調波歪率の実測データまで付属していました。 シンセサイザチューナはバリコンよりも軽く作ることができると思いますが、これは8.3kgとかなりの重さです。しかも、こんな使いにくいものをよく作ったものだと思いますが、さすがは東芝、変わったものが好きな会社です。
●カタログ上は高調波歪0.15%、SN比68dBとまずまずの性能ですね。音も当時としてはなかなかのものだったと思いますが、あまりにも売れていなかったのか、音がいいという話以前に、このチューナそのものが話題になることが少なかったようで、私も使ったことがありません。操作性はというと?で、このあたりは変な凝り性の東芝製ゆえにとなるのですが、特徴というか致命的というか、フロントパネルを特徴づけている4つのスロットがピンボード・プリセット方式というとても変わったチューニング方法を象徴していますね。このスロットにFM選局ユニットを差し込むことでFM局がプリセットされ、横のボタンで選局を行うというものです。つまり4局を車のラジオみたいにプリセットして使うことが前提なのです。そのプリセットがピンボードという方式で、FM選局ユニットにピンボードをセットして周波数を決定します。ピンボードは数字が書かれたくし歯のようになっていて、受信周波数に合わせて歯を折ることで、機械的に周波数が設定されるしくみです。これだと4局しか選択できないので、マニュアルモードもあります。スロットの最下段がそれですが、ボタンが9個並んでいますよね。左から10MHz台で70と80MHzの切り替えで1つ、1MHz台が8、4、2、1MHzの4つ、0.1MHz台が0.8、0.4、0.2、0.1MHzの4つというボタン構成で、これらを組み合わせて目的の周波数に合わせなくてはなりません、、、ね、使いにくいでしょ。これぞシンセサイザーというのをデザインで表現するとこうなるようで、性能、奇抜性の両面で記憶に残る名機です。
●さて、オークション界でも人気機種から程遠い機種です。\1.5万で入札なしです。\0.6万が相場で\0.2万で即買いと勝手に値付け。ただし、人気がないからこの相場なのであって、実力はこんなもんではないと思います。本当は名機に入れてよい代物で、\0.6万だったらオブジェ的に置いてもいいですよね。実際に動くのだから相場ならいい買い物だと思います。
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