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    May 26

    Apogee CALIPER

    <オークション:260121954068 APOGEE CALIPER RIBBON SPEAKER PAIR Ends May-31-07 09:34:59 PDT>
    ●イーベイUSにてあのアポジーのカリパーを見つけました。アポジー・アコースティック社はジェイソン・ブルーム氏が1982年に創立した世界初のフルレンジ・リボンスピーカの会社で、翌年にアポジースピーカシステム発表でデビューしていますが2mもある巨大平面スピーカでした。そもそもジェイソンはリボントゥイータの音の良さがきっかけで、フルレンジ・リボンスピーカ実現に思いを馳せていたようです。彼は技術者ではないので夢物語に終わるはずでしたが、奇跡の助っ人は意外にも奥さんの父親でした、ジェイソンの夢に共感した航空宇宙技術者である父親が技術陣を構成し開発を引き受けてくれたのです。デザインと音のチューニングはニューヨークで画商をしていたジェイソン自身の目と耳でした、かくして、この世にフルレンジリボンスピーカシステムが誕生したのです。
     
    ●全帯域にリボン型ユニットを採用したオールリボン型2ウェイフロア型スピーカーシステムで、大きく見える部分が低域、横に見える細いスリットが高域ユニットです。1200mm×700mm×50mmと畳を立てたような感じですが、見た目はダークグレーでジェット機の翼みたいですね。バイアンプ駆動が可能で、周波数特性は30Hz~20kHz 、クロスオーバー1kHzですが、極めつけは3Ω、84dBという超低インピーダンス、低能率スピーカです。しかも31kgあり、ステレオでは成人男性並みの重さです。 リボンは、ポリイミドフィルムの片面にアルミ箔を貼り付けて、右と左のスリットを交互に作り込むことでつづら織りのような電流経路を作ったものです。背面には垂直磁界を得るために小さなフェライト磁石がたくさん配置されて、膜全体を振動させます。振動膜の質量は大変軽いため、直接空気を振動させるような動作イメージになります。素晴らしい発想とその音質を誇るフルレンジリボンスピーカーですが、背面からは逆位相の音が放出されるため、背面の壁との距離を1m程度はなす必要があります。回折波が回り込むため低域に課題は残りますが、通常のリスニングには十分なようです。どうも、理論的な裏づけなどにはこだわっていないようで、特性的、品質構造的には問題があったようです。

    ●KRELLのダゴスティーノ氏も愛用していたApogeeですが、時には2Ωを切ることもあり、ひ弱なアンプはクリップしてしまうため、大出力アンプが必要です。ドライブ能力の相当高いアンプを使わないと性能を発揮できないと思います。クレルのアンプなら大丈夫そうですね。低音は外見よりも豊かなようで素晴らしくクリアな低音、透明な高域、フワーっとくる音などと評されています。特に、人の息づかいなど臨場感あふれるボーカルの再現能力はリボン型スピーカーの得意とするところで、左右のスピーカーの向こう側に等身大の音像が現れ、吐息のような台詞にさえ情感が表れ、聴き手を包み込むように広がる音場感覚はなんともいえない、クラッシックには最高の魅力を持っている、などとこれまたマニア絶賛です。聴いたことがないことが悔やまれます、、、あ~聴きてみたい~っ。

    ●開始価格は$895(=\11万)となっています。ハイレートからのスタートのためか、0bidsですが、日本ならこの倍位になるでしょうね。残念な事に、低インピーダンスでパワーが入らない、後ろに場所をとる、故障が多い、などの批判が多い中で、ジェイソンはしばらくすると会社をたたみ、画商に戻ってしまいますが、少なくない熱烈なファンの間では、アポジーの魅力は今になっても衰えることなく、マニアの方が修理部品やメンテナンス情報を提供してくれているようです、やっぱり名器なんですね。アメリカからもってくるだけで壊れてしまいそうなアポジーですが、絶賛される音を手に入れるチャンスかもしれません。
    May 20

    GARRARD 401

    <オークション:170111776641 GARRARD 401 Turntable EXCEPTIONAL Ends 23-May-07 22:00 BST>
     
    ●イーベイUKにてあのガラードの401を見つけました。1965年の発売で12年間で6~7万台を生産したようで、量産と考えなければまあまあの売れ行きですね。ガラード社の本家は1845年ヴィクトリア王室御用達だったこともある宝飾業者で今も健在です。分家となる機械メーカーGarrardは第一次大戦中の1915年にロンドン北西部で軍需工場Garrard Engineering and Manufacturing Companyとして発足しており、終戦後に民生品へ転換のため蓄音機のゼンマイを製造、後のターンテーブル・メーカーとしての名声を築いて行くことになりました。その後Swindonに移転し工場を拡大します。(タンノイもそうなんですが)どうも火事というのが一つの凶事のようで、1958年の火災で主力工場を失い1960年にはPlessey社に買収されてしまいました。Plessey傘下で再起できてから401が発表となったのですが、わずか5年後の1970年にはテクニクスの名器SP-10が登場となります。こうなるとテクノロジシフトによる勝負は明らかですね、その後もいろんなプレーヤを作りましたが、時代はDD全盛期に向け、サーボ制御の技術競争に入っていきました。技術競争から脱落してしまったガラードは1979年にブラジルのGradiente Electronicaに売られ、工場も閉鎖になってしまいます。しかし、GARRARDのブランド権は英国のオーディオショップLoricraft Audioに委譲されており、GARRARDという看板は健在のようです。
     
    ●私の友人Aさん宅の401は今回の出品とはよく見るとちょっと違いがありました。ストロボスコープの作りが微妙に異なっていて、後期型だそうです。初期の401はパネルと面一のガラスで、ネオン光を反射してストロボ投影します。中期型になると発光面がカットしてあるものになるらしですが、見たことありません。後期型は、Aさん宅のもので、乳白色のプラスチック製の発光面が金属のリムに囲まれて飛び出た形になっており、ネオン管も小さくなったので発光ユニット内に収められています。というわけで、今回の出品は初期型に属するものです。あと、パネルですが、後期型は樹脂製のものを貼り付けています。初中期は鋳物でしっかりとつくられており、ツマミのパネル部分が取替えできるようになっています。いまでも、このパネルが流通しているところが恐ろしいですね。さて、アイドラーと軸受けの精度の悪さ、モータゴロなど問題が散見される301、401と思っていましたが、きちんと整備された401はそんな問題は皆無で非常に安定していました。ダイレクトドライブのふらふらした制御よりはよっぼど安定しており、レンジの広さを感じさせてくれます。とはいうものの、スピンドルやアイドラーのレストア、メンテナンスはしっかりやる必要があるみたいで、購入費用より維持費用の方がかかるようですよ。
     
    ●外観からはちょっと想像がつかない音に本当に驚きますね、アナログが面白くなる逸品です。想像より遥かに小さいゴロはDDの制御よりも緩やかな変位なのか、音像がぼやけることなく、くっきりと浮かび上がってきます。これは、401というより、強化電源の影響が大きいと思っています。インダクションモータは電源周波数の影響を受けるので、しっかりした電源でかなりの性能を出すことができるようです。とは言っても、ワウフラなどはDDと比べる事すら無理があるほど性能の違いがあるのに不思議ですねぇ。常に一定の変動幅に抑えるように微小変位を繰り返すDDに対して、少々のずれはお構いなしにぐいぐい回すアイドラーとの違いですが、スペックはDDの方が優秀です。音は遜色ないというか、401の方が良く思えますね、回転ムラは音程の不安定化につながるのに、、、良い音のうちなのでしょうか?。ありえないと思いながらも、私の耳ではこのあたりが限界のようです。
     
    ●301と比べるとデザインは近未来的になっているように見えますが、プラスチックっぽいところがどこか安っぽく感じるのか301ほど人気がありません、中身が一緒だとすると相当お買い得だと思いますね。現在の価格が£\が相場\で即買いと勝手に根付け。301とは桁違いの価格でコストパフォーマンスはかなりのものがあります。音は301より上と評価するマニアもいるようです。ただし、購入されたらメンテはしっかりと。
    May 06

    LUX CL30

    <オークション:150116890052 Luxman CL30 tube preamp Ends 5月6日17時59分 PDT>
     
    ●イーベイUSであのラックスのCL30を見つけました。当時キットの常識を逸脱した高度な内容、最多部品数、最厚アッセンブリーマニュアルを誇ったラックスキット最高峰プロダクトであるA3400の製品版です。最初は、LUXKITからA3400として発売されて、当時としては破格の\108,000でした。CL30は1974年の発売で当時\169,000です。まずは、A3400がLUXの主力プリアンプがCL35だった頃、これを上回る機能を持ったプリアンプ「キット」として、登場しました。私の持っているラックスキットのすべてという本にも載っていて、ものすごい部品数ですねぇ。周到なアッセンブリーマニュアルがついているようです。非常に組立が大変なキットだったので、完成品バージョンがLUXブランドからCL30として登場したという噂です。

    ●当時の価格は高級プリアンプCL35よりもCL30の方が高価で、最上位機種という位置付けだったようです。その後、CL35からCL32、CL36へと主力プリアンプはモデルチェンジされて行きますが、CL30は、LUXKITのA3400としてしばらく販売されていました。イコライザ段は3段K-KのNF型、フラットアンプは2段P-KのNFにバッファ×2の4段構成です。12AX7×6本、12AU7×1本が使用されています。また、当時のプリアンプの中でも取りわけ多機能で、ツマミの類は計22個も付いている。 配線はその複雑さから、スイッチ類や電源部まで含めてプリント基板化されています。したがって、電源部のブロックコン、真空管ソケットなどオーバーオールが必要な部品も基板に実装されていて、部品交換、球の抜き差しが困難なのが欠点ですね。

    ●CL30/A3400は瀬川さんのデザインらしいですが、標準ウッドケース、ちょっと角度のついたフロントパネル、と見るだけでも魅力ある逸品となっています。聞いたことがないのでなんともいえませんが、CL35を凌駕する最高級として登場するものの短命であったことも考えると音としては今一歩のように思えます。PT基板化されていることも影響していると思いますが、あまりの複雑さに、音質は凡庸なチューニングになっていたのではないでしょうか。ノイズレベルが低いなど性能はいいように思われますが、これまで、音質で評判になったと聞いたことがありません。

    ●A3400はオークションでたまに見かけますが、CL30はほとんど見かけません。高価だったこともあって、あまり出回っていないようです。CL35ほどの人気もないので、お買い得な価格で入手が可能だと思います。一時的とはいえ、LUX最高峰のプリアンプです。現在US$660となっていますが、\8万が相場で\5万で即買いと勝手に値付け。CL30とA3400ではあまり相場の差はないと思われますが、やはりキットであるA3400の方が程度が悪いように思います。ただ、CL30の場合もレストアは必至なため、キット版のA3400のマニュアルあると修理時に安心ですね。CL30は世界的に見てもめったに出ない珍品です、この機会にどうでしょうか。