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    March 14

    DYNAVECTOR DV-505

    DYNAVECTOR_DV-505 ~理論の名作~
    <オークション:h127692756 Dynavector/ダイナベクター DV505 Ends 3月15日22時49分>
    - DYNAVECTOR DV-505 -
     
    ●ヤフオクにてあのダイナベクターのDV-505を見つけました。一切の妥協を排除して力学的工学的に突き詰めた究極のアームは一般的なマニアの美意識に逆らったもので、SMEとは対極といってもいいですね。ダイナベクター社は都立大教授である富成先生が興した会社で理論展開がすごいんです。富成先生はサーボ設計論や自動制御の本を出版(コロナ社)している制御の専門家で、このアームも自由度単位に制御系を独立させるという離れ業を実現しています。アイデアも相当なものですが、デザインもユニークでしょう。
    また、カートリッジも作っていまして、真っ赤で透明なアクリルボディに鋭く突き出たカンチレバーが印象的でした。しかもMC型なのにコイルがたっぷり巻いてあって出力は2.0mV、直流抵抗は85Ωとなっていました。本当に面白い製品を提供してくれています。さてアームの方ですが、1978年の発売で当時\6万でした。現在でもDV-507MKⅡとなって販売されています。30年という大変ロングラントーンアームですね。
     
    ●トーンアームの外観は、理科の実験で使う精密天秤といった雰囲気ですよね。橋ケタのような強靭なメインアームと軽量高感度のサブアームからなる質量分離型です。質量分離型って難しそうな型式ですが、簡単に言えば、水平にしか動かないメインアームの先っちょに垂直方向しか動かないサブアームをつけて可動方向を分離したわけです。これにより、水平方向の動きであるレコードの音溝には軽~く完全に追従しながらも、水平方向の振動にはびくともしない。垂直方向のレコードのソリには敏感に対応して針圧一定でトレースがしっかりできるようにすることを実現したものですが、これってアームの機能そのままですね。
    つまり、サブアームはレコードのソリに対応するため、垂直方向にのみ高感度に動くしくみで、常に一定の針圧をかけるため、針圧制御はスパイラルス型プリングを用いたダイナミック型を採用しています。共振対策にはダイナミックダンパ方式が取られています、これは別な共振周波数を持つバネ~質量系を有効に使った連性振動による制振手法なんです、、ふぅっ~。
    メインアームは水平方向だけの制御を担当しており、音溝への追従と振動を減衰させる役目を持っています。二つの役目をどう実現しているかといいますと、有害振動と音溝の動きにはその振動数(周波数)に違いがあるので、ダンピング力を周波数で分離しているんです、頭いいですよねぇ。
    一般的にダンピングにはオイルダンプが使われます、オイルダンプとはオイルの中に羽をつけた軸があるもので、羽がゆっくり動くときには、抵抗を感じませんが、早く動こうとすると、オイルの粘性抵抗を受けることになります。つまり、早い振動には抵抗となり、音溝のゆっくりとした動きには全く抵抗とはならないわけです。
    ところが、ダイナベクタは応答性の悪いオイルダンプには満足できなくて電磁粘性制御を採用しています。これは、磁石の隙間にアルミ板が入っていて、動くと渦電流が発生するというアラゴの円盤の原理を使った制御方法です。ゆっくり動かすときはほとんど抵抗はありませんが、早く動かそうとするとグッと止まるような大きな抵抗を受けるものです。オイルダンプと比べてあいまいさがなく経年変化も少ないので大変優れたアームだと思うのですが、見ての通り複雑な構造で、セットアップが大変など、機構的なマイナス面があり、世界的な大ヒットにはなっていませんね。
     
    ●音は、というのは難しいのですが妥協のないつくりであることは確かです。それよりオーディオはデザインも音のうちだなぁとつくづく思い知らされますよ。残念ながら、ガラードやトーレンスにはしっくりきません、SMEが採用されるわけですね。高級DDと組み合わせて真価発揮というところでしょう。
    もちろんアームとしての性能は合格点ですし、理想的な動作は見ているだけでも気もちのいいものですが、音との関係がいまいちよくわかりませんね、このレベルになるとそんなに変わらないんじゃないかなぁなどと感じていたと思います。きっと現代の高解像度のオーディオシステムに向いているのだと思います。昔のアナログオーディオではこの価値は享受できないのかも。高解像度な分あっさりと感じたりもしますし、低域の改善効果もバランスからいうと違和感があったのかもしれませんが、、、、とはいえカートリッジほどの差がないアームの世界なのかなぁと。

    ●価格は開始価格が18万となっており、高額スタートなため0BIDです。残念ながらのこのご時世、\10万が相場\4万で即買い、と勝手に値付けいたしました。解像度の高いアームなんてこれくらいしか知りません。最新装置でアナログを楽しみたい方には朗報ではないでしょうか。